アパレル店員……オシャレで華やかなイメージもあり、目指したい人も多いのではないでしょうか?
そこで気になるのが、アパレル店員になるとどんなメリットとデメリットがあるのか、ですよね。今回は、10年アパレル店員として働いている私が感じたメリットとデメリットをまとめました。
デメリットはなかなかに多いですが、オシャレが好きならばすごくおいしいお仕事なので、気になっている人は軽く目を通してみてください。
アパレル店員になった時のメリット
アパレル店員になるとどのようなメリットがあるのか、アパレル店員歴10年でいまだに現役の私が感じたことを挙げていきますね。
①日々オシャレに触れられる
アパレル店員になると、新作の服やバッグなどに囲まれて一日を過ごします。
周りのスタッフはもちろん、ご来店されるお客さまもオシャレな人がたくさん!
そういう日々を過ごしていくと、自分のセンスも自然とどんどん向上していきます。オシャレ好きにはたまらない環境ですよね。
②接客スキルが身につく
アパレル店員は売り上げを取るために、必死に接客スキルを学びます。
お客さまが何を求めているのか……その要望をいち早く察し、気持ちに寄り添わなければいけません。会話を広げるスキルも必要になります。
そのため、アパレル店員として接客を学ぶと、ほかのどんな接客業にも通じる接客スキルが手に入るんですね。
接客業だけではなく、生きていくうえで役に立つ対人スキルも得られます。毎日お客さまに接客することでコミュニケーション能力も上がっていくはずです。
③安く商品を購入できる
私の知り合いのショップ店員はみんな、社員割引きを使って安くショップの服を購入していました。
割引率は会社によってマチマチではありますが……。
ほぼ原価で購入できるところ、7割引きで購入できるところ、半額で購入できるところと、お得感満載のところもあれば、3割引きで購入とあまりお得感がないところとさまざまです。
中には、毎月制服代としてショップの服を買うための資金が支給されるところも!
そして、ほぼすべてのショップが店頭に立って働く際は、必ず今売っている商品を制服として着用しなければいけないというルールがありました。
どこのショップ店員さんも溢れるように毎月服を買っていましたよ。
自分の好みの系統のショップであれば、日々の制服選びが楽しくなりますよ!
④同年代の友達ができる
ショップ店員はだいたい同じ年代の人が集まります。
その年代に向けた服を販売しているからですね。ですので、そこまで年代の差は開かないことがほとんど。
そしてぽつんと建った路面店で無ければ、大体周りにも同じ年代の人が好むショップが入っている場合が多いです。ショッピングモールやファッションビルなどの商業施設は、たくさんのショップが入っていますよね。
その施設の雰囲気にも寄りますが、他店のショップ店員さんとも仲良くなれる場合があります。
私は今の商業施設に異動して、めちゃくちゃショップ同士がフレンドリーだったのでたくさんの友達ができました。辞めたり異動したりした子とも、いまだに連絡を取っています。
同じ商業施設であれば、就業時間も似てくるので遊びにも行きやすく、よく仕事終わりに飲みに行ったりもして、とても充実した日々を独身時代は送っていました(笑)
⑤顔が広くなる
ショップ店員として働くと、周りのショップ店員さんと顔見知りになりますし、ショップに来てくれるお客さまとも顔見知りになりますね。
駅チカのショップであれば毎日通勤などで利用する人もたくさんいるため、 地方だと 特に顔を覚えてもらうことも多いです。
ふと「あ、あのショップのお姉さん」と声をかけられることもしばしば。そこから仲良くなってプライベートのお友達になることもありますよ。
会社によっては、お客さまと必要以上に仲良くなってはダメという規定があったりはしますが……。
勤務外であればいいのではないでしょうか(笑)
人とのつながりが増えて日々が楽しくなります。
⑥店舗によってはすぐに出世できる
アパレルの世界は入れ替わりが激しい世界だったりもします。
特にレディースショップだと、結婚や妊娠で休職に入ったり退職したりとさらに人の入れ替わりが激しくなりますね。
上司が休職や退職に入った場合、下のメンバーが昇進することがほとんど。そのため、入社して数年で副店長や店長になる人も多いです。
アパレル店員になった時のデメリット
アパレル店員になった場合のメリットをお伝えしましたが、デメリットはどうなのでしょうか。
入れ替わりが激しいということは、デメリットもたくさん存在してしまうということ。ここではアパレル店員になった際に苦痛に感じるデメリットを紹介します。
①体力がいる
一見ショップで立ってお客さまに接客をするという仕事が目立ちがちですが、裏ではたくさんの入荷をさばいたり、重い什器を抱えたりしています。
たくさん荷物が入った、自分の体くらいに大きい段ボールを一人で抱え上げなければいけない場面も!
それに、仕事中はなかなか座る機会がなく、立ちっぱなしで終える日ばかり……。
店長クラスになると書類や検証などの作業で座る機会も増えますが、それ以外の店頭メンバーはほとんどの日々を立ちっぱなしで過ごすことになるでしょう。
「思っていたより体力がいるな……」とへとへとになる人もよく見ます。
②給料が安い
会社によって給料は変わりますが、世間一般で言うとアパレル店員は給料が低い方に分類されるでしょう。店頭メンバーだと、一人暮らしがギリギリできるかできないか……という会社が多いように感じます。
副店長や店長などの役職につけばぐんと上がる会社も多いようですが、ほとんど変わらないという会社もざらにあります。
私は店長経験があるのですが、給料は店長手当てが1万ほどでボーナスもほとんどありませんでした……。
今考えても、「あれで良く頑張ったなぁ自分……」としか思えない給料でした(笑)
同じ会社の他店舗の店長はけっこうもらっていた感がありますけどね。
学歴もないし、長い間時給制でも文句を言わなかったからでしょうか(笑)
……と、同じ会社で同じ役職でも手当てがまったく違う場合もあります。
自分が勤めたい会社はどのくらいの給料で、どんな昇給ルールなのか、できる限り事前に調べることをオススメします。
③制服代でお金が飛ぶ
メリットで説明しましたが、アパレル店員は今ショップで売っている商品を制服として着用しなければいけないところがほとんど。
トレンドって移り変わりが激しいですよね。
それと比例して、ショップの商品も入れ替わりをしていくのです。そのため、つい先日購入した制服が、
もうショップからなくなってしまって着られない!!
なんてことも多々あります。
そして次に制服として着るための服を購入しなければいけないのです。
社員割引きもありますが、そんなに頻繁に購入していたらお金は飛んでいってしまいますよね。
この制服購入は、会社や店舗によって厳しさがさまざまです。
例えば、今私が働いている店舗は、店長もそこまでうるさくないので自分の欲しい時にしか服を購入していません。しかし、私がまだ会社に入りたてだった時の店長は厳しく、「同じコーディネートなんてありえない」という人で頻繁に服をすすめられました。
今は制服代が月に5,000円~8,000円ですが、以前の厳しい店長のときは2万前後も購入していたので、苦痛でしたね。
中には、ローンで購入をすすめられて借金ができたという人もよく聞きますので、覚悟した方が良いかもしれないです。
④年末年始にゆっくり休めない
アパレルと言えば、一番忙しいのが年明けの初売り!
その初売りを成功させるために、アパレル店員さんたちは年末年始を犠牲にしているのです!
ですが、世間一般では年末年始はゆっくりと過ごす人が多いもの。
実家にみんな帰省してお正月を楽しんでいるのに、自分は仕事をがんばらなければならない……。みんな楽しく集まっているのに……。
と悲しい気持ちになってしまう人がたくさんいます。
私もそんな気持ちで毎年過ごしており、去年は育休で久々にゆっくりとした年末年始を過ごせました(笑)
でも近年はみんな年末年始は休んでしまおう!という風潮が強くなりましたね。アパレル販売店も1日、2日休みのところも多くなってきているように感じます。
⑤常にトレンドの勉強をしなければいけない
トレンドとは移り変わっていくもの。
アパレル店員さんは、もちろんお客さまにトレンドをお伝えしていく立場でなければいけません。
SSAW(春夏秋冬)どんどんトレンドは変わっていきます。アパレル店員の勉強は止まるところがないのです。
まぁ、働くショップによってどのくらい勉強したらいいのかが変わってくる場合もありますが……。
比較的若年層向けの、トレンドに強いブランドであれば常に最先端を学び続ければいけませんし、落ち着いたブランドならばそこそこ押さえておけば良いという場合もあります。
ちなみに、私はそこそこ押さえている方です(笑)
⑥店舗によってはなかなか出世できない場合も
メリットで、店舗によってはすぐに出世できるとありましたが、その逆になかなか出世できない場合もあります。
店長や副店長がどっしりと身構えているパターンですね。
人事がしっかりしている会社だと、店長クラスになるとほかのエリアの店舗に栄転するかたちとなり、下のスタッフを昇進させるシステムになっていることがほとんど。
しかし私が勤めている会社のタイプだと、転勤での費用を出し渋っているのか、そのようなシステムにはなっていません。その場合、店長がずっと1つの店舗に居座る形となり、その店舗ではスタッフがどんなにがんばっても店長クラスにはなれない仕組みができあがってしまいます。
私が働いているのは、割とアパレル界隈では大きい会社なのですが……。
ですので、有名な会社からだと言って昇進システムがしっかりとしている、というわけではありませんので注意しましょう。
⑦勤務外でお客さまに会うことも
顔が広くなって人とのつながりが増えることはアパレル店員のメリットでしたが、考え方を変えると「どこでだれに見られているかわからない」というなんとも恐ろしい事態に。
とあるクラブでいい感じに酔っていた時に、「あ、お姉さん」と声をかけられて一気に酔いが醒めたというスタッフがいました。
あまり軽率な行動がうかつにできなくなってしまいますね。
ちなみに私が働いている会社では「通勤時にメイクをしてはいけない」という規定があります。電車やバスなどの公共交通機関でメイクをすることは常識外れとなり、もしアパレル店員だと気づかれたら会社のイメージ低下にもつながりかねないからです。
まぁ通勤時にメイクは世間一般から見ても常識外れの域にはなりますが……。
アパレル店員になると、勤務外でも会社の看板を背負っているという意識を持たなければいけません。
⑧ノルマに追われる場合もある
私が働いているショップはそこまで厳しくないのですが、会社やショップによってはノルマが厳しいところもあるようです。
アパレル店員がブラックと言われる要素の一つですね。
ノルマに追い詰められすぎて精神が病んでしまったり、自分で肩代わりしてローンが増えてしまったり……そういうマイナスな話もネット上ではよく耳にします。
しかし、私が働いている商業施設の店舗ではそこまで厳しいところはあまり見かけなかったので、そんなに身構えなくてもいいかと感じます。
アパレル店員はオシャレが好きじゃないと続かない
さて、10年アパレル店員として働いた私が感じた「アパレル店員のメリットデメリット」ですが……
気がついたらデメリットの方がたくさんある……!!!
はい、今まで「辞めたい」と思ったことは数えきれないくらいあります。
しかし、今はシフトも融通きいてもらっているし、ほかのところに比べると時給もそこそこ高いし(育休明けでパートになり、休職前の販売員レベルから時給換算してもらいました)、新作の服を低価格で購入できるし、お客さまに好きな人がたくさんいるし……で、なんだかんだで気楽にやっています。
もちろん働き続けてきて良いこともたくさんあったからですね!
そして何より「オシャレが好き」という気持ちがあったからこそ、ここまで続けてこられたのが大きいかなぁと感じます。
新作の服をチェックできて、しかもそれらが格安で購入できる……。
これがアパレル店員でなかったら、月の洋服代がとんでもないことになっていたでしょう。今のショップの洋服は割と好みなので、普通に私服でも使っています。ほぼほかのショップでは購入していません。
そのことから、アパレル店員は好きなショップであれば、ものすごくおいしい仕事になるでしょう。
これからアパレル店員になろうかなぁと思っている人の参考にでもなれば幸いです。