こんにちは!アパレル店員10年目の接客きみ子です。
アパレル店員と聞くと、「なんだかブラックそう……」と思う人も多いんじゃないでしょうか。
私が10年前、「アパレル店員になる」と周りに言ったとき「いろいろ大変そうだよ」と止める人が数人いましたし、働いている間も「アパレル店員ってブラックじゃない?」という意見をよく聞きました。
まぁ、ちょっとそんな風に感じる部分もある現役アパレル店員ですが(笑)今回は、なぜアパレル店員はブラックだと思われるのか、その理由を徹底的に解説してみました。
アパレル店員がブラックと言われるのはなぜ?その理由
それでは、アパレル店員はなぜブラックと世間から言われる傾向にあるのか、その理由を私なりに解説していきます。
①給料が安い
アパレル店員はほかの職種に比べて給料が低い傾向にあります。
2018年度の30~34歳の年収の平均は男性457万、女性315万円というデータがありますが(参照→平均年収.jp)、販売員の平均年収を調べてみたところ男性374万、女性292万円という結果に!(参照→career garden)
会社によってさまざまですが、私が10年働いてきた中で周りの会社のアパレル店員さんたちと関わってきたところ、店長などの役職に就くとぐんと上がるところが多いように感じました。
しかし、中には正社員または店長にも関わらずボーナスが出ない、店長に就任しても給料がそこまで変わらないという会社も。
私の会社もその中のひとつですw
仕事の量や内容のわりに給料が低いということが、アパレル店員がブラックと言われる大きな原因になっています。
②服を買わなければいけない
会社やお店によりますが、アパレル店員としてショップに立つには商品を着用しなければいけないところがほとんど。
自分で着てみて、そこからオススメをしなければ説得力がありませんもんね。
その上、アパレル店員がオシャレに着こなしているのを見て、「欲しい」と感じるお客さまもたくさんいるのです。そのため、今現在ショップで販売している服を自腹で買って、着用しなければいけません。
トレンドの移り変わりって激しいですよね……。
そのこともあり、ショップの商品は2~3週間でガラリと変わるところばかり!
毎週何かしら買っているアパレル店員さんはたくさんいるようです。私も以前は毎週買っていました(今は)
社員割引きで安く買えるとは言え、月に何着も服を買わなくてはいけない……。
好きなブランドであればテンションが上がりますが、そうでなければストレスはたまる一方ですよね。このことから、アパレル店員はブラックだと感じる人が多いようです。
③ノルマがある
アパレル店員はショップの服やバッグなどの商品を販売する仕事です。物を売るからには、個人やお店のノルマや目標は必ずなければいけません。
目標がないと、どこを目指しているのかわからない状態になってしまいますね!
会社やショップの方針で変わりますが、厳しいところになると自分の財布をあけてまで達成しなければいけないところも……!
私の会社は、必ず達成しなければいけないというプレッシャーはそこまでないのですが、ショップと自分の個人売りの予算は日々あります。
達成できなくても「何か罰がある……」なんてことはありませんが、上からのプレッシャーを恐怖に感じ、以前は自分の財布から商品を購入して予算達成したことも数回……。
数字が悪いのがいやだったんですね。
そういうイメージもアパレル店員には根付いていて、ブラック要員のひとつとなっています。
予算を順調にとって売り上げが伸びれば、店長やメンバーの給料が上がりやすくなるというメリットはありますが、自分の首を絞めてまで予算達成しなくてもいいと私は考えます。
④年中無休
基本的にアパレルショップは年中無休のところが多いです。
ショッピング施設に入っている店舗であれば休館日があったり、1月1日はお休みだったりするところもちょこちょこあるようですが……。
会社によっては、休館日の日はほかの開いている店舗のヘルプにまわされることも。
しかし、世間がお休みのときこそアパレルに限らず販売員はみな稼ぎ時なので、土日祝日はお休みをもらうのが難しいところも多々あります。
そのため友達や彼氏・彼女、そして家族と休みが合わずに、遊んだり会えたりできない人も……。
1番ゆっくりしたい年末年始こそ、初売りとその準備で休みが取れないところがほとんどなのでアパレル店員はブラックと言われるのではないでしょうか。
⑤就業時間がバラバラで遅いときも
アパレル店員の就業時間はショップの営業時間に付随します。
そのため、シフト制で出退勤時間が固定されていないパターンが多いです。就業時間がバラバラだと、不規則な生活にもなりがち。
さらに、ショップは遅いところだと21時過ぎまで営業しているところもあります。
早いところでも19時や20時まで営業しているので、帰りが遅くなること必須。仕事が終わらずそこから残業となるともっと遅くなってしまいますね。
丸一日を仕事で潰されるため、アパレル店員はブラックだと感じる人が多いのです。
⑥仕事量が多い
私はここ10年アパレル店員としてしか働いていないので、ほかの職種と比べることができないのですが……。周りにいるアパレル関係の友達、特に店長陣はみな口を揃えて「仕事が終わらない」と言っています。
私は独身時代に2年ほど店長をやっていて、結婚してからメンバーへと切り替えをしたのですが、それでも現在「仕事多くて無理ゲーだ……」と感じることがあります。
アパレル店員はショップを回せる最低限の人数しか雇わない店舗が多く、その分ひとりひとりに負担が重くのしかかってくるのです。
さらに昨今アパレル業界は人手不足のところも多い模様……。ひとりの負担が大きすぎるショップもたくさんあるのではないでしょうか?
メンバーの私が感じる「仕事多い……」という部分は、入荷の時です。
新作がたくさん入ってくるのは楽しみなのですが、あまりにも量が多すぎてさばけなくて「無理ゲーだ」とへこたれてしまいます。
店舗の敷地の大きさに比べ売れている店舗となると、在庫をしまう場所が足りないくらいに入ってくることも!
それと今はそこまでないのですが、私が店長になる前のメンバー時代は当時の店長から課題をいろいろと出され、業務時間外に
先日も分厚いコートが山ほど入ってきて、しまうことができずにしんどくなりました(笑)
- 多店舗への商品調査
- 自社商品のセールストークの書き出し
- 雑誌などからトレンドを勉強
- それをファッション・ヘアメイク共にまとめてプレゼン準備
などをしていました。
ただ、やはりメンバーなら「仕事量が多い」と言ってもなんとかやっていける程度。
問題は店長から上のクラスです。店長になると一気に仕事量が増え、残業して、休日出勤して、仕事を持ち帰って仕上げることも多々ありました。
忙しすぎてあまり覚えていないのですが……(笑)
- メンバーの育成管理と育成
- 随時店頭レイアウトの変更
- 商品販売の戦略立て
- 戦略の振り返り
- 上司への報告
などが次々に発生し、毎月のシフト作成や、週、月、半期、1年での戦略からの結果まとめ、そしてプレゼン準備など……覚えているだけでこんなにも。
「店長業ってスーパーマンじゃないと無理だよね」と店長仲間と愚痴った思い出があります……。
私自身、店長時代の就業の様子は明らかにブラックだと感じているので、もう二度と店長業はしたくありません(笑)
⑦少人数で運営しているショップがほとんど
先ほどの「仕事量が多い」の項目でも少し触れましたが、ショップはお店を回すことができる必要最低限の人数しか人を雇っていない店舗が数多くあります。
人手不足もその一因ですが、人件費という経費を削減して利益を上げるためでもあるのです。
「必要最低限の人数でとにかくお店を回してください」、「しかし、売り上げは上げてください」という無茶ぶりが上から常に降ってくる状態。
私は店長よりも上に行ったことはないのであまりわからないのですが、人員を減らしてしまうと接客するチャンスをむしろ減らしているのではないかな……、と感じます。
それよりも売り上げを取るより、人件費を削る方が利益が上がるという、不景気な世の中なのでしょうね……。
ブラック企業は減りつつあるが、アパレル店員には要素がたくさん
近年はSNSの普及もあって個人が気軽に声を出すことができ、その声を聞ける人も増えています。
その結果、炎上という言葉も出てきてブラック企業が叩かれやすい時代になりました。
そのせいかブラック企業は年々減りつつあるのかな……と感じます。
実際はどうかわかりませんが……。
しかし、アパレル店員にはブラックな要素がたくさんあることは事実。
クリーンな職場環境が増えてきましたが、そうではないところももしかしたらあるのかもしれません……。ブラックな働き方が少しでも減ってくれることを祈っています。
実際に10年働いてみた私が感じたアパレル店員のメリットとデメリットをまとめた記事もよければどうぞ!
ブラックなイメージもありますが、きちんといいこともありますよ。